2000年03月13日
三菱化学とエクソンの合弁会社、シンガポールに今月末に設立
6月からPPニートレジンとコンパウンドの事業をスタート
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:DSM、日本ポリケム、三菱化学

 三菱化学がエクソン・ケミカルグループの一つであるエッソ・シンガポールとの間で準備を進めていたPP(ポリプロピレン)の合弁事業会社の設立が3月末に実現する見通しとなった。
 社名は「マイテックスポリマーズ・アジアパシフィック」。資本金は50万シンガポールドル。出資率は、三菱化学、エッソ・シンガポールともに50%。社長は竹下隆史郎氏。副社長はエクソングループから選出される。実際の業務開始は今年6月1日からとなる公算が強い。
 この合弁新会社は、エクソン/モービルが今年9月にシンガポールに建設する年産27万5,000トン能力のPPプラントから年間約10万トンを引き取って中国を中心としたアジア・オセアニア地域に販売するとともに、一部をコンパウンドに加工したうえでアジア地域の自動車メーカーや部品メーカーに供給していくというもの。コンパウンドについては、年間7万トンていどを製造・販売していくことになりそう。実際の製造は現地あるいは周辺国の専門企業に委託していくと見られる。
 三菱化学は、PPコンパウンドではいち早くエクソンとの折半出資によって米国に合弁会社「マイテックスポリマーズ」を設立して米国の自動車部品分野に強力な基盤を構築するのに成功、続いてマイテックスポリマーズ社ならびに日本ポリケムを通してオランダのDSM社とも業務提携し、欧州市場でも安定需要を確保しつつある。これに今回のシンガポールの新会社が加わると、世界の4極に同コンパウンドの製造・販売拠点を整備し終わることになる。