2000年03月10日
三井化学、PE価格のナフサスライド制の拡大に注力
1Q、2Qともナフサ高騰分は着実に転嫁へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は今年に入ってナフサ価格が一段と騰勢を強めていることに対処して、各種ポリエチレンの価格もそれに合わせて着実に引き上げていく。ついては、かねて採用に踏み切っている”ナフサ価格スライド制”をさらに多くの需要家に受け入れてもらうよう説得に力を入れていくことにしている。
 ナフサ価格スライド制は、ナフサ価格の変動に合わせて自動的に樹脂などの価格を改めていく方法で、欧米では古くから石油化学製品市場に広く定着している。供給者側も需要家側も、頻繁に行われる価格交渉のためにその都度貴重な経営資源を投入しなくて済む点がこのシステムの大きなメリットと言える。
 現在三井化学が販売しているポリエチレンの総数量の20%ていどの価格はこのシステムによって自動的に修正されている。同社では、この比率を大幅に引き上げることでここに来てのナフサの急騰にも合理的に対処していく考えなわけで、狙いとおりいけば樹脂業界全体に同じ動きが急速に広がっていくと見られ、成り行きが注目される。