2000年03月10日
アクリル酸エステル輸出価格上昇続く、1,050ドルでの契約も
原料高騰、アジア各国での需要堅調で強含みの展開続く
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:BASF

 アクリル酸エステルのアジア向け輸出価格は、アジア各国での引き合いが堅調なことから今月に入ってCIF・トン1,000ドルを超え、一部では1,050ドルでの契約も出始めている。
 アクリル酸エステルは、一昨年にアジアでの新増設、各国での経済低迷などの需給緩和感から、昨年1QにはバルクベースCIF東南アジア向けは700~750ドルに軟化していた。その後、中国を中心として引き合いが回復、原料高騰もあって2Q750~800ドル、3Q800~850ドル、4Q900~950ドルと上昇が続いていた。今年1Qについては、1月はY2Kの反動、旧正月を控えて取引量は減少していたものの、旧正月明けの2月には急速に引き合いが回復、1,000ドルでの契約が実現していた。
 しかし、原料のプロピレン価格の上昇、オキソアルコールなども高止まりで推移していることもあり、サプライヤー各社では引き続き値上げ交渉を進めている。こうした中、今月には一部東南アジア向けで1,050ドルでの契約も出始めており、ようやく1,000ドル台の価格が定着しつつあるもの。
 業界筋では、今年中ごろにBASFがマレーシアにおいて酸換算で年産16万トンの大型設備を稼動開始することもあり、ユーザーも状況を見極めたいとしているものの、米国・欧州での好調な経済状況、BASFの世界戦略の動向から影響は最低限にとどまるとの見方が強まっている。