2000年03月09日 |
大洋塩ビなどPVCメーカー、4月の輸出価格60ドルアップへ |
CIF中国・トン860ドル、原料高騰、需給タイト化で |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:ヴイテック、クレハ、新第一塩ビ、大洋塩ビ、チッソ |
大洋塩ビなど大手PVC(塩ビ樹脂)メーカーでは、4月のアジア向け輸出価格を、3月比60ドルアップのCIF中国・トン860ドルとする方針を決め、アナウンスを開始した。 PVCの輸出価格は、中国を中心として旺盛な引き合いから旧正月明け以降上昇が続いており、2月730ドル、3月800ドルで決着している。さらに原料ナフサ、EDC(二塩化エチレン)価格も強含みの展開が続いていることもあり、採算悪化から4月分についても60ドルの引き上げを行う方針を決めたもの。 アジアの各国サプライヤーでも、同様に輸出価格の引き上げに動いており、インドネシア、タイメーカーでも800ドル台前半でのオファーを出している。 日本メーカーでは3月末から大洋塩ビが四日市工場の定修を実施するほか、4月には新第一塩ビが水島工場、チッソが五井、水俣工場での生産を順次休止することもあり、日本メーカーの輸出余力の減少が確実視されている。さらに5月から6月にかけて信越化学・鹿島、ヴイテック・水島、鐘淵化学・鹿島、呉羽化学・錦が相次いで定修入りすることもあり、国内需給も状況によっては需給が逼迫する可能性も強まっている。 商社筋では、今後の需給環境、原料動向、さらには米国での景気状況を考えると、しばらくはPVC輸出価格の強含みでの展開が続くと見ており、900ドルを一定水準としての交渉となる公算が強いとしている。 |