2000年03月09日
ポリオレフィンのアジア相場、踊り場に
オレフィンとのスプレッドは縮小したまま
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 大手商社によると、上昇一途にあった東南アジア諸国や極東におけるポリオレフィン相場は3月に入って頭打ちとなり、弱含みに転じているものも少なくない。現状について多くの商社は、”完全に躍り場にきていて、もう一段の値上がり材料はない”と論評している。
 最近のポリオレフィンの相場は、香港のCIF価格を例にとると、LDPEのフィルム用がトン当たり770~790ドル、L-LDPEの同じくフィルム用が730~750ドル、HDPEのフィルム用が740~760ドル、PPの射出成形用が650~670ドルといったところ。東南アジアの相場はこれより10ドル前後高い。これらを2月下旬の平均に比較すると、10ドル程度下がっているものが多い。
 こうした変化の要因については、2月の上旬から下旬にかけてアジア地域のユーザーの多くが必要以上にレジンを手当てして十分な在庫を確保していることが大きいと分析する商社マンが多い。したがって、”3月いっぱいは再び大幅な上昇に転じる可能性は少ない”との発言が多数を占めている。
 ただし、オレフィンとのスプレッドが極端に縮小したままなので、市中在庫の削減を待ってサプライヤー各社が再値上げに踏み切るのは確実との見方もある。