2000年03月08日 |
タイ・ポリカーボネートでガス漏れ事故~現地従業員1名死亡 |
アジア需給はさらにタイト化/海外市況が急騰 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:三菱エンジニアリングプラスチックス、三菱化学、三菱ガス化学 |
タイ現地時間の6日17時30分頃、ラヨン県のタイ・ポリカーボネート(TPCC)の工場において、ガス漏れ事故が発生、現地従業員1名が死亡した。これにともない同社はプラントの運転を停止、再稼働には1ヶ月以上かかる見通しだ。 漏れたガスは、猛毒物質のホスゲン(塩化クロライド)。人体に取り込まれると、呼吸困難を引き起こし死に至る。通常ホスゲン法のPC設備では、ホスゲンを使う工程は完全にクローズドとなっているため、ガス漏れが発生するのは極めて異例なケースであり、同社では現在原因の究明を急いでいる。また事故発生後プラントの操業は停止しており、タイの関係当局は「1ヶ月以内に原因を究明し改善するまで、事故の発生した工場の操業停止」を命じている。このため再稼動は4月7日以降となる見通し。 現在、アジア市場におけるPCの需給は、極めてタイトな状態にあり、TPCCも現在のところプラント停止期間中の供給対応は難しいとの見方を示している。今回の事故を受けて、需給バランスがさらにタイト化するのは確実で、すでにアジア市況は急騰しているもよう。 TPCCは、三菱エンジニアリングプラスチックス(MEP)が60%、TOAが30%、三菱ガス化学および三菱化学が各5%出資して設立、1998年6月から年産5万トン設備を操業している。 |