2000年03月07日 |
東レ、ポリエステルフィルムのグローバル・リエンジニアリング戦略策定 |
高収益コア事業として位置付け強化/世界4極で再編を推進 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:東レ |
東レは7日、ポリエステルフィルム事業のグローバルな事業体制を再編成する「グローバル・リエンジニアリング」戦略を策定、実行に入ったと発表した。昨年12月に東レグループに取り込んだ東レセハン(TSI、韓国)社をあわせ、中期的に激変する世界的な市場構造の変化に対応、得意とする磁気材料用途での世界トップシェアの維持・拡大と、包装・工業材料用途での一層の事業拡大を目指し、高効率かつ高収益な最適の生産・販売体制を構築していく方針。戦略遂行により、東レグループの高収益なコア事業としての位置付けの強化を狙いとしている。 まず、汎用包装・工業材料用途については、コスト競争力のあるペンファイバー(PFR、マレーシア)社とTSI社で集中生産・全世界拡販を行う一方、ホームビデオ用途や感熱転写リボン(TTR)用途については日・米・欧・韓世界4極体制の再編を進め、世界的な価格競争に勝ち残っていくためにフル生産・コスト競争力強化に努め、より強固な収益基盤を確立する。 一方、特品分野においては各地域、各ユーザーのニーズに的確に応える営業・技術開発体制および生産体制の強化・拡充を進めていく。具体的には、磁気材料用途ではDVC(デジタルビデオカム)、データ・バックアップ、プロビデオ向けなど、工業材料用途では光学、工程離型紙、電子部品材料、コンデンサ用極薄品など、包装材料用途ではハイバリア蒸着品などの高成長・高採算用途への投資・技術開発を重点的に進め、新規需要を確実に取り込んでいく。 今回の再編において、日米欧でのホームビデオ用設備の包装・工業材料用途への転換を最小の投資で行うことを軸とし、特に、米国トーレ・プラスチックス・アメリカ(TPA)社については包装・工業材料用途中心の生産に構造転換を図る。あわせてTSI社をホームビデオ用途の世界拠点として強化し、これら用途におけるグループの競争力を強化していく。 また、DVCやデータ・バックアップ、プロビデオ用など磁気材料用途における高機能品については、ユーザー業界が集中する日本国内において技術開発を含めた対応を強化していく。 このようなグローバルな生産・販売体制の再編を確実にするため、日本をヘッドクォーターとして技術開発・支援体制を強化し、グローバルな要素技術のレベルアップと生産技術力の向上を進めていく。 東レのポリエステルフィルム事業は、1959年の“ルミラー”生産・販売開始以来、40年に亘り技術開発、生産、販売に努め、高い収益力と共に成長を続け、グローバルに拡大してきた。同社では、この世界的な業界再編・需要構造変化の時期を乗り越え、さらなる発展を継続するために、今回の「グローバル・リエンジニアリング」戦略を決定したとしている |