2000年03月07日 |
旭化成工業、アクリル樹脂の導光版向けグレード展開加速 |
高流動・離型と耐熱・光学物性の両立グレード、支援技術でサポート |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:旭化成 |
旭化成工業は、アクリル樹脂における導光版向けグレード「デルペット」の事業展開を進めているが、液晶ディスプレーの大型化に対応するため、高流動・離型型特性と光学物性を両立させた新規グレード開発を進めいく方針だ。 アクリル樹脂における導光版用途では、光学特性のほかに高温化での使用における安定性、高い加工性が求められている。とくに加工性は、ディスプレイの大型化が進んでいることもあり、こうした大型成形、薄肉化に対応した高流動性のグレードの成長が期待されている。 同社の代表的な導光版グレードとしては液晶ディスプレイ、モニター用途向けに開発した「デルペット80NH」「デルペット70NHX」をもつ。80NHは耐熱性に優れていることから、主にプリズム、シボ転写タイプなどの各種導光版向けで、高温化での使用となるカーナビゲーションの液晶ディスプレイ向けに採用が広がっている。一方の70NHXは、流動性に優れていることから、主に印刷タイプの導光版向けに採用が広がっている。 こうした導光版向けグレードは、射出成形の13~14インチまでのディスプレイをターゲットにしているが、今後の大型化、薄肉化を見越し、光学性、耐熱性などの物性面も両立させた新規グレード展開も進めていくもの。また、同社では、加工技術面などの支援技術でのサポートにより展開強化も進めていく方針。 アクリル樹脂の導光版向けグレードは1998年以降、ノートパソコンの普及拡大、デスクトップでの液晶ディスプレイ比率の拡大によって、年率20%前後の市場拡大が続いている。さらに今後も家庭用TVディスプレイでの液晶化、パソコン用用途での大型化により、一層の市場拡大が見込めることから、同社でも加工性、物性の両立したレジン開発、支援技術により展開を加速するとしている。 |