2000年03月03日
BASF、ドイツでUV吸収剤新工場が操業
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:BASF

 独BASFはこのほど、ドイツ・ルートヴィッヒスファーフェンの本社工場において、有機紫外線(UV)吸収剤の新工場の操業を開始した、と発表した。当面はオクチル・トリアゾンのみを生産、今年末までにメチルベンジリデン・カンフルの生産を開始する。
 新設備は、オクチル・トリアゾンとメチルベンジリデン・カンフルの生産を需要に応じて調整・変更できるように設計されており、両タイプ合計で年産数百トンの生産能力がある。化粧品業界向けのUV吸収剤の需要は伸び続けており、同社は今回の新設備でニーズの増大に対応していく方針。オクチル・トリアゾンの生産プロセスは、自社開発によるものでUV吸収剤そのもととともに特許が認可されている。
 BASFは、オクチル・トリアゾンを商品名「ユビナール T150」として販売している高い吸収能力を有したUV-B(B波紫外線)フィルターで、日焼け防止剤(サンスクリーン)などに調合して、効果を発揮する。さらに酸化亜鉛無機顔料「Z-COTE」など他のフィルターとの組み合わせにより様々な調合が作り出され、UVフィルター2つ分の数値を超えた高いUV吸収能力を実現する。
 メチルベンジリデン・カンフルは、「ユニバール MBC95」の商品名で販売しているUV-Bフィルターで、他のUV吸収剤である4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンを安定化させる効果を有しているのが特徴。この成分は、世界で唯一承認されているUV-A(A波紫外線)フィルターであり、BASFは「ユビナール BMBM」の商品名で販売している。MBC95とBMBMを組み合わせることで、UV-AとUV-Bの両紫外線に対する安定した調合をすることができる。