2000年03月02日 |
ポリプラスチックス、LCPで超ハイサイクル成形技術を開発 |
全成形サイクル時間を1秒以内と10~15分の1に短縮 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:ポリプラスチックス |
ポリプラスチックスは2日、スーパーエンプラのLCP(液晶ポリマー、商標名ベクトラ)において、全成形サイクル時間を従来の10~15秒から1秒以内に短縮する超ハイサイクル成形技術を確立した、と発表した。 LCPは、特異的な微細構造を有し、熱収支的に有利なことから、通常のプラスチックと比べ固化速度が1桁以上速く、成型加工時間を短縮することができる。特に同社のベクトラは、同じLCPの中でも特に固化時間が短いことが確認されているが、こうした特徴を一層発揮させるため工夫した材料の開発に成功したもの。一方成形機については、全電動式射出成形機のトップメーカー、ファナックが高応答速度制御とサーボモータの複合同時動作によるハイサイクル動作を開発、油圧式成形機の3分の1以下の電力消費量で、高精密・高信頼性の成形を実現した。今回は、これらに加え金型構造など周辺技術についても工夫し、総合的に1秒以下の全成形サイクル時間を達成した。 今回の検討は、実用的な判断を容易に下せるよう、0.6mmピッチコネクタのテスト金型(せみほっとランナー4個取り)を使い、1秒サイクルでも安定成形が可能なことを確認した。また寸法安定性や低反り性も従来の成形サイクルと同等の高精度を確認している。 同技術の確立により、化工サイクルの短い金属プレス工程と射出成形工程のタクト時間がより同期され、金属リードフレームプレス機と射出成形機をインラインで並べて工程が組めるようになることから、横持ち手順の省略化、省力化、時間短縮が可能となる。同社では、このプロセスが今後電子デバイスやコネクターなどに応用され、激化する国際競争において競争力を強化できると期待している。なお同社は現在、この超ハイサイクル成形技術について、材料および周辺技術などに関する特許を申請中であるとしている。 |