2000年03月02日 |
PS・ABS樹脂、需給タイト背景にアジア市況の高騰続く |
GPPSは1,050ドル/ABS樹脂は1,300ドル台 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:なし |
PS(ポリスチレン)、ABS樹脂は、需給のタイト化を背景にアジア市況の高騰が続いている。しかし以前原料価格の上昇には追いついていないため採算的には厳しく、今後も上昇基調で推移すると見られているだけに深刻な状況だ。 現在のアジア市況(CIF香港価格)を見ると、GPPSはトン当たり1,040~1,050ドル、HIが1,100ドル弱、ABS樹脂(汎用グレード)が1,300ドルとなっている。原料SM(スチレンモノマー)の価格が950ドル前後であることを考えると、GPとのスプレッドは100ドル前後にとどまっている。 市況高騰の一因である原料の高騰について、市場関係者は、「ABS樹脂の場合、現在の市況でアクリロニトリル、ブタジエン、SMを原単位をかけて計算すると、原料だけでABS樹脂の価格は860~870ドルとなり、これにコンバージョンコストを加えると、FOBレベルで1,260~1,270ドルとなってしまう。これにフレートをかけて輸出すると採算割れとなる」としており、いくら市況が上がっても原料価格の高騰に追いついていない実体が明らかとなっている。さらに需給は極めてタイトな状態にあり、各社とも玉繰りに窮しているのが現状。 このためSMの市況が950ドル前後で踊り場を迎えているものの、PS、ABS樹脂の需給タイト感は当分続くものと見られていることから、今後いかにスプレッドを確保できるかが焦点となっている。 |