2000年03月01日 |
昭和電工、原料高騰で酢酸輸出価格2Q以降も一段の引き上げへ |
酢ビ向け自消進む、昨年9月には中国向け輸出を中断 |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:昭和電工 |
昭和電工は、1Qの酢酸輸出価格を前期比50ドルアップのCFR・トン430ドルを打ち出しているが、ナフサをはじめとした原料価格が高騰していることから、2Q以降についても一段の価格引き上げを目指す方針だ。 同社では、酢酸の酢ビ向け自消の増加、アルデ法設備でのアセトアルデヒド生産を優先させていることもあり、酢酸での供給余力が減少、昨年9月には中国向け輸出を中断している。こうした中でナフサ価格が2年ぶりに2万円台に乗せることが確実視されており、前回の2万円ナフサの酢酸価格が560~580ドルであったことを考えると、現在の価格水準では、採算的に厳しいとして安定供給のため2Q以降も価格修正は避けられないとしているもの。 酢酸の需給バランスは今月17日から同社が大分工場でエチレン直酸法15万トン設備が40日間の定修入りするのを皮切りに、5月には韓国・三星BP35万トン、協同酢酸40万トンが相次いで定修を実施することから一段のタイト化が予想されている。輸出の主要供給先であるPTA(高純度テレフタル酸)も、中国での旺盛な引き合いから、アジア各国メーカーの高水準な稼動が続いており、堅調な推移が見込まれている。新増設が計画されているシンガポールのセラニーズ45万トン、マレーシアのBP45万トンについても稼動開始は年後半にずれ込むものと見られており、今年は需給バランスはタイトで推移する公算が強い。 なお同社では、1Qの価格交渉はまもなく開始する方針で、早期決着を目指すとしている。 |