2000年02月25日
VEC、24日の朝日新聞の意見広告に見解表明
環境ホルモン全国市民団体テーブルに対し反論
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会(VEC)は、2月24日(木)の朝日新聞に掲載された環境ホルモン全国市民団体テーブルの意見広告に対して、事実に反した表現や読者に誤解を与えようとする表現が多々見うけられると反発、同協会の見解を明らかにした。
 掲載されたのは、「ダイオキシン・ゼロNO!塩ビキャンペーン委員会」によるもので、塩化ビニルや塩化ビニリデンが使われている家庭用ラップやおもちゃを焼却すると、ダイオキシンが発生する原因となるとして、塩ビを追放しようとする意見広告。
 VECではこの広告に対し、1.日本のダイオキシン排出量について、2.塩ビとダイオキシンの関係について、3.塩ビのリサイクルについて、4.医療分野の塩ビについて、5.世界における塩ビの使用状況についての5つの観点から見解を述べている。

 VECの見解は以下の通り。(全文掲載)

1.日本のダイオキシン排出量について
 ダイオキシン類の多くは、焼却施設から発生していますが、焼却施設における適切な対策と管理がどんどん進められています。厚生省の調査では、一般廃棄物焼却施設から出るダイオキシン類の排出量は平成9年から10年にかけて3分の1以下に大幅に減少しました。

2.塩ビとダイオキシンの関係について
 ダイオキシン類は、主にゴミの不完全燃焼によって発生し、生ゴミ、紙、木、プラスチックなどあらゆるものが発生の原因物質となる可能性があります。その発生条件は「塩素を含んでいるか否かといった焼却物の種類に依存するというより、むしろどのように焼却するかといった焼却条件が大きく影響する」という考え方が一般的になってきました。
 厚生省でも「・・・仮に塩ビの影響があるとしても、相対的に少なく、燃焼状 態や排ガス処理の状況等の方がダイオキシン類濃度に大きな影響を及ぼすものと考え られる・・・」としています。

3.塩ビのリサイクルについて
 使用済みプラスチックを再び製品として利用するリサイクルは、現在、塩ビはプラスチックの中で最も進んでいます。さらなるリサイクル推進のため、塩ビ業界では技術,用途開発とネットワーク作りに積極的に取組んでいます。
 例えば、農業用ビニールハウスや塩ビパイプは全国規模で回収システムの構築と用 途開発が進められています。
 また、各種使用済み塩ビを鉄やセメントの原燃料としてリサイクルすることも製鉄、セメントメーカーと共同で行っています。

4.医療分野の塩ビについて
 輸血バッグや点滴チューブなどの医療用塩ビ器材は、薬品による影響が少なく、感染などの心配もない安心して使える材料として医療機関から高い評価を得ています。
 また、薬事法や日本医療器材協会の自主規格など各種の法律や自主基準においても安全性は十分に確認されています。

5.世界における塩ビの使用状況について
 EU(欧州連合)において、3歳未満の子供が口に入れることを意図した軟質塩化ビニル製玩具の使用規制を行うと発表したことは事実です。しかし、これに対し欧州の科学者は「科学的根拠に基づかない判断である」として反論しています。
 また、米国においてはこの種の規制はありません。
 世界の塩ビ使用量は大幅に増え続けており、アメリカ,ヨーロッパとも対前年比10%前後の伸びを示しています。