2000年02月25日
タイのポリオレフィン企業に引き合い殺到
日本の需要家が韓・台品に代わっての輸入を計画
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 大手商社ならびにポリオレフィンメーカー筋によると、わが国のポリオレフィンの大手需要家の間でタイのポリオレフィンメーカーに輸入引き合いを寄せるところが急増している。関係筋の中には、最近のこうした動きを”タイ詣で”と表現する向きさえある。
 これは、汎用樹脂の特恵対象国のうち韓国や台湾など大口対日輸出国が今年4月以降除外されることになっている点を睨んでのもの。タイでは、過去数年の活発な設備投資によってポリオレフィンの生産能力が大幅に拡充されている。総設備能力は日本と韓国に次ぐ規模となっており、輸出余力もある。
 このため、わが国の需要家の間では特恵適用期間中に積極的に同国から同樹脂を輸入するところが増えている。昨年の通関数量は、LDPEが6,648トン、HDPEが2,300トン、PPが5万3,044トンであった。
 最近の日本の需要家の動きから推して、今年のタイからの輸入数量が増えるのは確実と見られる。ただし、多くの商社によると、タイには中国などからも大量に引き合いが寄せられているので、わが国の需要家が希望するだけの数量を確保できる可能性は極めて低いようだ。