2000年02月24日
アジアのSM定修、2Q集中で需給はさらにタイト化へ
FCFC2期は7月フル稼働/SADAF2期は3Q稼働
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:旭化成、新日鐵化学、電気化学工業、日本オキシラン、三菱化学

 アジア地域におけるスチレンモノマー(SM)の定修は、日韓のメーカーを中心に第2四半期(2Q)に集中しており、需給のさらなるタイト化は避けられないもようだ。また今年域内における能力増加は、2月に稼働したFCFC(台湾化学繊維)のみで、7月に上流のエチレン設備が稼働するのを待ってフル稼働体制となる。
 日本において、定修スキップは日本オキシランのみ。来月中旬から定修に入る旭化成は、定修中に4万トンのデボトルを実施、トータル年産45万トン体制を構築する。このほか2Q中には、出光石油化学(千葉)、電気化学工業、三菱化学、新日鐵化学が定修を実施する。韓国は、各社とも短期間ながら東部韓農化学(No.2)、現代石油化学(No.1)、サムスン綜合化学、サムスンSM、SKオキシケミカル(No.1、SM/PO併産設備)と5月前後に全て集中している。さらに台湾は、GPPC(国喬石油化学、No.2)、台湾スチレンモノマー(No.1)が2Qに予定している。
 また東南アジア地域では、マレーシアのイデミツ・スチレンモノマーが5月、タイのサイアム・スチレンモノマーは3月下旬まで定修期間に当たり、サイアムはこの時期を利用してデボトルで6万トン増強、能力を30万トンに引き上げる。
 このほか中東は、定修予定はないものの、サウジアラビアのSADAFが第2期55万トン設備の建設を進めており、3Q中の稼働を予定している。
 アジアのSMは、年初から市況の高騰が続いているが、これは設備トラブルや触媒の活性低下などによる需給のタイト化が大きな要因となっている。今年は、例年需要が冷え込む中国の旧正月前でも「売る玉がない」(市場関係者)ほど、タイトな状況であり、ピークとなる5月にはアジア市況は騰勢を一段と強める可能性が高くなっている。

http://www.c-nt.co.jp/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/shutdown/2000sm>2000年スチレンモノマー定修予定表
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