2000年02月24日 |
中国のアクリル酸エステルダンピング提訴、日本メーカー各社応訴へ |
独・BASF、米UCCも同様の構え |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:BASF、東亞合成、日本触媒、三菱化学 |
中国政府が12月に、アクリル酸エステルでダンピングの疑いがあるとして日本、ドイツ、米国のメーカーを提訴した問題で、日本メーカー各社はこれに応訴、中国当局の調査を受け入れた。 今回、中国がダンピング提訴をしたのはアクリル酸エステルのブチル、2エチルヘキシル、エチル、メチルなどの全品種で、国内メーカーの北京東方化工廠、高橋石油化工公司吉林化学工業公司が連名で調査を求めたもの。 提訴されたのは日本の日本触媒、東亞合成、三菱化学、出光石油化学の4社に加え、ドイツのBASF、米国UCCの6社。日本メーカーでは各社が応訴することを決め、中国当局からの書面による調査票の回答作業を進めている。調査は1年から1年半をかけて行われることになる。BASF、UCCも同様に応訴する構えとされている。 アクリル酸エステルの中国向け輸出価格は、一昨年のアジア各国での需要低迷、需給バランスの悪化などから大幅に下落、1998年末にはCIF・トン700ドルと約1年間で半値近くにまで軟化していた。しかし、各国の経済回復から1999年は上昇に転じ、現在は1,000ドルを越える水準にまで回復してきている。 業界筋では、現在でも採算水準を大きく割り込んだ価格水準であるとして、値上げを進めているとしており、中国当局の適正な判断を仰ぎたいとしている。 なお、中国がアクリル酸エステルでダンピング控訴したのは、今回が2件目となる。 |