2000年02月23日 |
日本ポリケム、メタロセン触媒によるランダムPPを開発 |
世界で初の試作に成功、年内に上市予定 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:日本ポリケム |
日本ポリケムは23日、新型メタロセン触媒によるポリプロピレンのランダムコポリマーの開発に成功したと発表した。同社は、パイロット設備による工業化基礎技術の確立を経て、川崎工場の年産7万トン能力のバルク法の第一PPプラントを使って同コポリマーの試作に挑戦していたが、狙い通りの優れた機能を持つ製品を安定的に生産していけることを確認できたという。商業プラントで同コポリマーの試作に成功したのはこれが世界でも初めて。 今回同社が開発したメタロセン触媒によるランダム共重合PP(RCP)は、融点が125度Cと極めて低い点が最大の特徴。既存のポリマーより10度C低く、このためシーラント材(熱融着シール用フィルム)などの生産性の向上に大きく寄与できるという。 また、透明性や強度にも優れ、さらに、超低融点タイプであるにもかかわらず耐熱性も合わせ持つので食品容器を始め、多彩な新用途を開拓していけると同社では説明している。 今後同社では、関係加工会社等でシーラント分野を中心に市場評価を進め、年内には上市する考え。当面は、既存のバルク法設備で工業化するが、同技術はスラリー法や気相法など他のプロセスにも適用できる強みも持つので将来は多彩な展開もありそう。 日本ポリケムはすでにメタロセン触媒による超低密度ポリエチレンを企業化しており、また、同触媒による気相法直鎖状低密度ポリエチレンの技術も開発中である。それに今回のRCPが加わると、ポリオレフィンの新市場開拓に大きく弾みがつくことになる。なお、メタロセンPPについては、耐衝撃性を大きな特徴とするブロック共重合体の触媒も開発を進めている。 |