2000年02月17日
VCMアジア市況一段高、3月分は650ドルへ上昇
原料価格高騰、定修控え先高観強まる
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:東ソー

 VCM(塩化ビニルモノマー)の中国向け輸出価格が、定修を控えた先高観、エチレンなど原料価格の高騰によって強含みでの展開が続いており、3月分でCFR・トン650ドルと一段と上昇してきている。
 商社筋では3月下旬から大手サプライヤーの東ソーが四日市事業所で定修を実施するほか、3月末で山陽モノマーが休止するなど、日本からの輸出余力が減少する一方で、中国を中心に依然引き合いが旺盛なことから、先高観が強まっているとしている。また、原油、ナフサなどの高騰が続く中、エチレンのスポット市況が700ドルを超えるなど、こうした原料価格の上昇に引きずられて、一段と上昇に拍車が掛かっているとも見ている。
 VCMのアジア市況は、昨年11月には600~620ドルに上昇していたが、12月にはPVC(塩ビ樹脂)需要に一服感が広がったことから560~580ドルに一時的に軟化。しかし旧正月明け以降急速に引き合いが回復し再び上昇に転じ、2月分は600ドルで決着している。
 なお、PVCの2月契約分は790ドルで決着しているが、3月分については50ドルの値上げが打ち出されている。