2000年02月14日 |
トクヤマ、フィルム・樹脂製窓枠事業を統合・分社化 |
業界に即した企業文化の確立、ローコスト体制構築へ |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:大倉工業、サン・トックス、シャノン、トクヤマ |
トクヤマは14日、フィルム事業および樹脂製窓枠事業の二つの加工事業を4月1日をもってそれぞれ統合・分社化する、と発表した。 フィルム事業は新たにサン・トックスを設立、現在の本社フィルム事業部、販売会社1社、製造会社3社および大倉工業のCPP事業を統合する。新会社の資本金は16億円、出資比率は同社75%、大倉工業25%、社長には現常務取締役フィルム事業部長の北出次盛氏が就任する。従業員数は190名、初年度売上95億円を目指す。 販売部門では同社フィルム事業部、大倉工業CPP事業および販売会社であるサン・トックス(同社70%、大倉工業30%)を統合する。製造部門では山口県徳山でOPP製造を行っている同社フィルム製造部、茨城県牛堀でOPP製造を行っている徳山フィルム(同社100%)、同地CPP製造のトックス(同社50%、大倉工業50%)および大倉工業の東京工場CPP製造部門を統合する。 統合後の設備能力はOPP月産2,600トン、CPP1,400トンと合計4,000トンとなり、業界シェアではそれぞれ11.3%、9.5%となる。 新会社に事業を統合・分社化することで、フィルム事業に即した企業文化の確立、経営の自立化、意思決定の迅速化、ローコスト体制の構築を図ることにしており、現在赤字のフィルム事業を建て直し、収益体質を目指すとしている。 新会社の社長に就任予定の北出次盛氏は「フィルム事業は原料価格の上昇、市況の低迷もあり収支悪化が続いている。しかし、昨年末には価格修正を実施したことから収益は改善の方向にある。新会社にフィルム事業を統合・分社化することで経営の効率化を進め、収益も水面上に出るよう新体制作りを進める。」と語った。 一方、樹脂製窓枠事業では新たにシャノンを設立、同社のシャノン建材事業部、販売会社3社、製造会社2社を統合する。新会社の資本金は4億9,500万円、同社100%で社長には現シャノン建材事業部長の井上剛志氏が就任する。従業員数は120名、初年度売上70億円を目指す。 販売部門では同社シャノン建材事業部、北日本を拠点とする北海道シャノンとシャノン販売東北、関東を拠点とするシャノン販売東日本の3つの100%出資子会社を統合、製造部門では北日本を拠点とするシャノン、シャノン化成および東北シャノンの3つの100%出資会社を統合する。 なお、同社は立山アルミ、三協アルミとの製造会社である東北シャノン(同社72%)をもつが、今回の事業統合を第一弾として、第二弾として統合に向け各社との話し合いを進め、2年程度のうちに一つにするとしている。 生産能力は年産30万窓で、樹脂サッシ(複合サッシは含まず)業界シェアで25%程度となる。 新会社に事業を統合・分社化することで、サッシ業界に即した企業文化の確立、経営の自立化、意思決定の迅速化、ローコスト体制の構築を図る。 新会社の社長に就任予定の井上剛志氏は「当社の樹脂製窓枠事業は北海道から南下して営業展開を進めてきたが、省エネなどの点から事業拡大が続いている。本年度の売上げも65億円が見込まれているが、来年度も高い成長が期待されており、間接部門の合理化で新規の営業展開に注力したい。」と語った。 <資料> フィルム事業の新体制 http://c-nt.co.jp/news/tokuyama_f.gif> シャノン建材事業の新体制 http://c-nt.co.jp/news/tokuyama_s.gif> |