2000年02月10日 |
住友ダウ、シリコーン系難燃性PC販売目標は2,000トン |
OA機器分野でリサイクル性を含め高い評価 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:NEC、住友ダウ |
住友ダウは、シリコーン系難燃性PC(ポリカーボネート)「カリバー870シリーズ」について、OA機器向けを中心に好調なことから、今年は2,000トンの販売を見込んでいる。同社は、シート分野で高い競争力とシェアを有しているが、870シリーズの発売以来OA機器分野の強化も進んでいる。 同社の870シリーズは、難燃剤にシリコーン系化合物を用いており、臭素(ブロム)系や塩素系難燃剤を含まないのが特長で、難燃性も米国ULの難燃規格で上から2番目のV-0をクリアしている。燃焼時にガスが発生しないほか、金型汚染や成形機の腐食がない。また数回の再利用に耐えることができ、リサイクル性にも優れている。 シリコーン系難燃剤の基本技術はNECの資源環境技術研究所が開発したもので、その後同社が開発に協力、量産化、低コスト化にめどをつけたもの。このためNECは「エコポリカ」の商標でグループの液晶ディスプレイのハウジングやノートパソコンのバッテリーケースなどに採用、その比率を拡大している。 住友ダウもサンプル出荷を経て1998年11月から本格的に販売を開始しており、シリコーン系化合物の添加率により875-20、876-20の2タイプを基本に、炭素繊維強化タイプのPCX-1775 C10、PCX-1775HF C10(ともに開発名)、ガラス繊維強化タイプのPCX-1775Gシリーズ(同)などラインアップを拡大しつつある。 後発ではあったものの、市場での評価も高いことから、昨年の販売実績1,000トン弱に対し、今年は2,000トンの販売を目指す(うち約半分がNECグループへの供給)。また、米国ダウでの生産も視野に入れており、米国でのシェア拡大も期待される。このほか2~3年後には同樹脂のリサイクルについても積極的な対応を検討していく方針。 |