2000年02月09日
三菱化学、インドPTAのサンプル供給を開始
3月までに本格稼動へ、商業運転開始は市況・需要動向を注視
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は、インドで建設を進めていたPTA(高純度テレフタル酸)設備が1月末に稼動を開始、製品のオンスペック生産確認を終え、国内外にサンプル供給を開始した。
 同設備はインドのウエスト・ベンガル州ハルディアにPTA年産35万トン設備を1998年秋から建設を進めていたもので、予定通り稼動を開始したもの。同社では、設備の最終調整をのため、3月までに一度稼動を停止して再調整を図ることにしており、再稼動後に本格稼動を予定している。なお、商業運転開始については、市況、需要動向を見極めてタイミングを決めたいとしている。
 同社のPTA事業は、日本では昨年秋に黒崎事業所での生産を休止、松山事業所(35万トン)に集約、国内完結の供給体制を構築している。海外では韓国・三南石油化学で95万トン、インドネシア・バクリー化成で60万トンと今回のインド設備の完成で4極・225万トン体制を構築したことになる。
 アジアでは現在、約1,400万トンのPTA設備があるとされており、同社は約20%のシェアを占めることになる。今後は中国市場を睨みながら韓国、インドネシア、インドそれぞれの有機的な供給体制構築を急ぐことにしており、アジアでのPTAメインサプライヤーとしての地位を確固たるものとする方針。
 さらに次の展開としては、30%のシェアを目標に中国国内での生産を視野に入れながら、アジアのPTAメーカーとの提携も模索していくことになるとしている。