2000年02月08日
MMAモノマー国内第三次値上げ、実施時期で攻防続く
需給逼迫で、ユーザーは玉の安定確保優先
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンなどMMA(メチルメタクリレート)モノマーメーカーでは国内第三次値上げを打ち出し、交渉が進められているが、ユーザーの抵抗は強いものの需給タイト感を背景としてユーザーの間でも値上げやむなしの声が徐々に広がりはじめている。
 MMAモノマーの国内価格は、アジアでの経済混乱、国内景気の低迷などから一昨年には大幅な軟化が進んでいた。しかし、昨年は原料価格の上昇、アジア各国での引き合い回復から需給バランスも改善、5月にはキロ当たり20円の値上げが実現している。さらに原料価格上昇が続いたこともあり、第二次値上げとして11月実施で20円の引き上げが実現していた。こうした2回の値上げが行われたものの、現在の価格水準は1998年の値下がり前と同水準であるとされており、MMAメーカーでは一段の採算是正として2月21日出荷分から15円幅での値上げが打ち出されているもの。
 一方のユーザー側は、自社製品の価格転嫁が思わしくないこともあり、強い抵抗を示しているものの、4Q以降の需給逼迫感から原料の安定確保を優先させる動きを示しており、値上げやむなしの声も出はじめているもの。しかしながら決算を控えて、実施時期、幅などでの折り合いがどのようにつくのか、しばらくは双方の攻防が続いていくものと見られている。