2000年02月07日
昭和電工、酢酸ビニル700ドルに引き上げ
玉ショート、原料ネックで採算是正へ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工は、酢酸ビニルの輸出価格をCFR・トン700ドルと50ドルの引き上げを目指す方針だ。
 酢酸ビニルのアジア市況は、欧州での玉ショートを背景としてアジアでもタイト感が続いており、昨年3Qに100ドル、4Qに50ドルの値上げが実現、現在は650ドル水準となっている。欧州においては原料の酢酸のショート、ロシアからの輸出が途絶えていることもあり、依然として玉不足が深刻化している。こうしたことからBPなど大手サプライヤーでは3月の域内価格を200ドイツマルク値上げするとしており、全世界的に価格の先高観が強まっているもの。
 酢酸ビニルのアジア市況は、一昨年末も値上げが行われ560ドル水準にまで上昇していた。しかし、春先以降軟化し、一時は400ドル台にまで下降していた。ところが3Q以降は原料酢酸の需給タイト化が急激に進んだこともあり、一転して上昇基調に転じている。同社でも3月末までには700ドル水準を目指したいとして、採算是正を進めていくとしている。