2000年02月04日 |
全世界で酢酸の玉ショート感強まる、1Q値上げ早期決着も |
3期連続値上げ、アジア新増設計画遅れる |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:昭和電工、ダイセル化学 |
酢酸は、欧州での玉ショート感などから全世界的にタイト化が進んでいるが、米国メーカーの設備トラブルなどもあって、旧正月明け以降に本格化するアジア輸出価格の引き上げ交渉が早期決着する公算が強まっている。 アジアの酢酸価格は、3Qは30ドルアップのCFR・トン410ドル、4Qも30ドルアップの430ドルの値上げが実現している。今年1Qについてもセラニーズが75ドルアップを打ち出したのをはじめ、昭和電工、ダイセル化学、BPが50ドルアップをアナウンスしており、旧正月が明ける今月中旬には交渉が本格化するものと見られている。 3期連続での値上げ交渉となることもあり、当初は交渉難航が予想されていたが、ここへ来ての急速な需給バランスのタイト化から、一転して早期決着となる公算が強まっているもの。 今年はアジアではシンガポールのセラニーズ、マレーシアのBPなど、相次いで新増設計画が打ち出されているが、商社筋では少なくとも半年以上は遅れるとの見方が支配的となっており、今年は玉タイト状態が続いていくとの見方に変わるつつある。セラニーズでは新プラントの新設に向けて、アセトアルデ法などの古い設備の休止を先行して進めており、既にドイツ、メキシコでは設備休止を完了するなど、一段と需給タイト化に拍車が掛かっている。さらに米国テキサスのBPも設備トラブルを起こしており、現在は全世界的に供給不足状態となっている。 業界筋では、主要ユーザーであるPTA(高純度テレフタル酸)もポリエステル需要の回復から市況も回復基調にあることもあり、採算是正のためにも早急な値上げ決着を実現したいとしている。 |