2000年02月01日
現代とサムスンのビッグ・ディール、最終的に成立せず
独自に再建の道を模索~現代はCFSB/サムスンはIFCなどと交渉
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:住友商事、三井物産

 韓国の現代石油化学とサムスン綜合化学が進めていた石油化学事業統合、いわゆるビッグ・ディールは31日、最終的に不成立に終わったことが明らかとなった。三井物産と住友商事が共同でこれ以上ビッグ・ディールを進める意志がない旨を、韓国側に伝えたもので、1年半の長きにわたる交渉は幕切れとなった。
 日本側2社は31日午後、ビッグ・ディールを進めてきた石油化学統合推進本部および現代、サムスン両社に対し「交渉を終える以外に選択肢はない」という内容の文書を送った。日韓4者は昨年末、今年3月をめどに新たに統合会社を設立することで基本合意していたが、輸出権の取り扱いや、日本の国際協力銀行から韓国産業銀行を経由したローンの実施が困難であることなどが問題となり、交渉が難航していた。
 ビッグ・ディールが不成立となったことにより、現代、サムスン両社はそれぞれ独自に再建の道を探ることになる。金融監督委員会や産業支援部といった韓国政府側もビッグ・ディールを代替する石油化学工場調停計画の作成準備を進める方針だが、資金面を中心とした公的支援は行えない立場を明らかにしている。
 このためサムスン綜合化学は、世界銀行の姉妹機関であるIFC(Interntional Finance Corporation、国際金融公社)を含む2~3の海外投資機関と、また現代石油化学はコンサルティング会社であるCFSB(Credit Suisse First Boston)と交渉を開始している。現代、サムスンはそれぞれ、これらの企業を通じて外資企業の参加を求め、新たな再建策の策定を急ぐ方針。