2000年02月01日 |
三菱レイヨン、高度難燃性アクリル繊維事業から撤退 |
鐘淵化学の代替品供給に切り替え/今後共同で商品企画も検討 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:カネカ、三菱レイヨン |
三菱レイヨンは31日、モダクリル繊維の一つである高度難燃性アクリル繊維「スーパーバルザー」事業について、生産・販売を段階的に縮小、最終的にモダクリル分野から撤退する、と発表した。ただし、既存ユーザーに対しては、鐘淵化学工業のモダクリル繊維「カネカロン」を供給することにしており、三菱レイヨンと鐘淵化学はアクリル素材全般にわたって取り組みを強化していく方針。 三菱レイヨンのスーパーバルザーは、繊維そのものが難燃性、自己消化性を有する高度難燃性アクリル繊維で、国内市場ではカーペットやカーテン、寝具、衣料などに用いられている。発売から10年以上を経過し、主力のハイパイル・ボア分野への輸出を中心に、年間2,500~3,000トンを生産販売してきた。同社は、主力素材の「ボンネル」に注力していく方針で、スーパーバルザーの設備をボンネル用に転換して増強、生産効率の向上を図る一方で、鐘淵化学との間では、アクリル素材全般にわたる取り組みを強化することで将来の発展性を確信したことから、今回の事業撤退を決定した。 両社はこれを機にそれぞれの主力素材であるボンネルとカネカロンの特色を活かした新たな商品企画の検討を共同で進め、アクリル素材の総合的な普及・拡大を目指す。 (注)国際規格(ISO)において、AN単位を85%以上含むものを「アクリル」、35~85%含むものを「モダクリル」と規定(日本の家庭用品品質表示法では「アクリル系」と規定)している。代表的なモダクリル繊維として、85%未満のANと塩化ビニル樹脂や塩化ビニリデン樹脂などを共重合させた難燃性アクリルなどがある。 |