2000年02月01日
A&Mスチレン、2000年PS内需を2%増の108万トンと予想
食品包装材中心に堅調な伸び/設備稼働率は96%見込む
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 エー・アンド・エム(A&M) スチレンは31日、2000年のPS(ポリスチレン)需要イメージを明らかにした。これによると国産品の内需は電機・工業用および雑貨・産業用が横ばいあるいは微減であるのに対し、包装用およびFS用は3%の伸びを見込んでおり、トータルで2%の増加を予想している。
 PSの2000年需要イメージはhttp://www.c-nt.co.jp/news/2000PS.html">表記の通り。2000年については、国産品内需で2%増の103万6,000トンを見込んでおり、内需合計では108万1,000トンとなる見通し。輸入は、韓国、台湾などが今年特恵関税枠の対象から外れるため、大幅に増えるとは考えにくく、逆に輸出についても業界再編が進み各社が内需に見合った生産体制の構築に務めた結果、余力がなくなっているため微減を予想している。
 国産品の内需を用途別に見ると、電機・工業用は1%減の26万2,000トンと予想されている。ただし、汎用家電の海外生産シフトはほぼ終わっており、大型テレビなどがシフトする可能性がある程度だが、OA機器の海外シフトがどのくらい進むかが一つの焦点。また2001年4月から家電リサイクル法が施行されると価格に消費者負担が上乗せされると見られているため、施行前の特需が発生する可能性がある。また包装用はOPS(二軸延伸PS)やHIPSシートが引き続き伸びると見られており、薄肉化などのニーズは高まるものの38万8,000トンと3%の増加を見込んでいる。このほかFS用は、約3割が断熱材などの建材向け、残る約7割がPSP(ポリスチレンペーパー)であるが、建材向けがやや成長、PSPは他素材への転換などもあり横ばいの見通しで、トータルでは3%増の21万2,000トンを期待している。
 これに対し1999年(実績見込み)は、内需のうち国産品が前年比3%増の102万トンと2年振りに100万トン台に回復、輸入を含めた内需合計は4%増の105万5,000トンとなった。これに対し輸出は、14万3,000トンと16%減少した。国産品の用途別内需は、電機・工業用が横ばい、雑貨・産業用は2%減少したものの、包装用は6%増加、FS用も8%増を記録した。
 なお設備能力については、1999年で年産143万6,000トン、稼働率は80%と推定されているが、2000年については各社の生産体制見直しが進んでいるため122万8,000トンに減少、稼働率も96%まで向上する計算となり、需給は当面タイトな状況が続くと予想している。

http://www.c-nt.co.jp/news/2000PS.html">2000年PS需要イメージ(A&Mスチレン)