2000年01月27日 |
PVC国内生産設備23万トン休止、VCMは60万トン弱が休止へ |
塩ビ業界の再編加速、構造問題の解消が焦点に |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:旭硝子、新第一塩ビ、チッソ、東ソー、三井化学、三菱化学 |
PVC(塩化ビニル樹脂)の生産能力は、新年度に向けて中堅メーカーを中心に設備の休止・廃棄の予定が相次いで予定されており、この1年間で年産23万2,800トン分の設備が止まることになる。 現在の国内のPVC生産能力は全社合計で288万3,000トンだが、3月末には新第一塩ビが水島工場の12万トン設備を休止・廃棄するのをはじめ、三菱化学が四日市事業所の8,000トン設備の休止を決めている。さらにチッソが鐘淵化学工業へ塩ビ商権を委譲することで、五井工場の7万2,000トンおよび水俣工場の4万トン設備を生産グレードの移行が進み次第、休止・廃棄を進めていく。同時に五井では旭硝子が固定費を負担している1万トン分の設備も休止することになるとしている。 一方、原料のVCM(塩ビモノマー)については、既に設備の再編が進行しており、千葉地区では旭ペンケミカルが1998年夏に5万トン設備を休止、秋には千葉塩ビモノマーが21万トン設備を休止している。さらに昨年末には三井化学が大阪工場の10万9,000トン設備を休止、東ソーに生産を委託している。今年は3月末に山陽モノマーが23万トン設備を休止・廃棄する方針で、59万9,000トン分の設備が止まることになる。 こうしたPVC、VCMともに中堅メーカーの生産設備の休止が続く一方で、大手メーカーは国際競争力強化の観点から設備の増強を進めており、大きく業界の再編が加速してきていることになる。今後は、塩ビ業界に指摘されている構造問題、商慣行の是正など、いかに健全な秩序を構築できるかに注目が集まっている。 最新のPVC、VCMの生産能力表は資料室 http://www.c-nt.co.jp/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/capa/pvc>塩化ビニル樹脂生産能力(表) http://www.c-nt.co.jp/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/capa/vcm>塩化ビニルモノマー生産能力(表) |