2000年01月26日
独BASF、市場シェア40%以上目指し紫外線吸収剤事業拡大
二酸化チタンを追加/主要UVA・UVB吸収剤が全て調達可能
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:BASF

 独BASFはこのほど、日焼け防止剤の活性成分に用いられる無機顔料二酸化チタン「ユビナール TiO2」を上市、紫外線(UV)吸収剤事業の拡大を進めている。また、米サンスマートから酸化亜鉛顔料「Z-COTE」を買収しており、この結果世界の主要無機紫外線防止フィルターの2つを手中に収め、製品ラインの拡充をほぼ完了している。
 BASFのファイン・ケミカル部門は、引き続き紫外線吸収剤事業に投資していく方針で、ドイツ本社で計画を進めている「ユビナール MC80」の新設備だけで1,000万マルク(約7億円)以上の投資を予定している。さらに最近上市した「ユビナール BMBM」が世界で始めて有機UVA吸収剤として承認された。同社は遅くとも2005年までに、紫外線吸収剤のシェアを40%以上に拡大することを目指しており、同分野でトップメーカーの地位を確立する考え。
 UVは、肌に老化を及ぼす重大な要因となる長い波長のA波(UVA)と、典型的な日焼けを引き起こす短い波長のB波(UVB)の2つに分類される。UVAはある種の皮膚ガンとなる危険性を促進する可能性がある。BASFは、製品ラインアップの拡充により、近年の日焼け防止対策のニーズに対応する上で優位な地位の確保を目指している。同社のファイン・ケミカル部門は現在、有機および無機のUVA・UVBフィルターを揃え、完璧な製品群を供給できる体制にある。
 なお今回追加した白色光沢顔料二酸化チタンもまた、UVを有効に反射する物理的効果を持つUVフィルターに分類され、超微粒子であり、太陽光防止効果(SPF:サンケア指数)の高い化粧品の調合に適している。二酸化チタンは主に肌に炎症を起こすUVBに対する保護の役目を果たす。化粧品に使われるに酸化チタンは、平均で直径100ナノメートルという非常に細かく、日焼け防止剤を塗った時に皮膚が白く見えるのを防ぐ。健康面でも害はなく、分類1のUVフィルターとして米国食品医薬品局(FDA)により承認されている。