2000年01月25日
チッソ後藤社長会見「水俣病補償完遂、地域経済にも貢献」
再生計画発表「機能材中心に選択と集中、合理化さらに追求」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:チッソ、三菱ガス化学

 チッソの後藤舜吉社長は25日記者会見し、関係金融機関や国、県の支援による同社の「再生計画」を中心に、鐘淵化学工業への塩ビ樹脂の商権譲渡や三菱ガス化学とのフタル酸系可塑剤合弁事業化など、一連の将来計画について明らかにした。
 質問は具体的な支援内容から再生への取り組み、水俣病患者への補償や地域経済に及ぼす影響、効果など広範囲にわたったが、同社長は1時間半にわたり1つ1つ丁寧に答えた。
 発言の要旨は次の通り。

 1.再生計画によって、金融支援が受けられるようになったが、当社にとっては患者補償を完遂し、地域経済の発展に貢献できるだけでなく、当社自身も長期的展望に立った経営戦略が展開できる。その意味でも画期的なことといってよい。
 2.今後は、これまでの汎用素材型企業から脱皮し、収益性の高い機能材料中心の会社づくりを目指したい。
 3.塩ビ樹脂事業は鐘淵化学に商権を譲渡し、フタル酸系可塑剤は三菱ガス化学と合弁事業化することになったが、業界環境は厳しく、以前から検討してきたことだ。今後とも分社化、アライアンスをできるだけ実施していきたい。選択と集中を図る一方で、合理化にも徹していく方針だ。
 4.多くの支援のおかげで、年間40億円の事業利益を見込むことができるようになった。この再生計画を達成し、目標をクリアしていくことが、私たちに課せられた最大の責任と思っている。