2000年01月25日
チッソ、塩ビ樹脂の商権を鐘淵化学に譲渡
2000年4月めど/水俣と五井の設備は適宜休止
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:チッソ

 チッソは25日、塩ビ樹脂(PVC)の販売商権について、鐘淵化学工業に譲渡することで基本的に合意した、と発表した。同社は、塩ビ時事行の不採算構造からの脱却のため、以前から事業の縮小を軸に徹底した合理化を検討してきたが、合理化策の実施に当たり、ユーザーへの影響を極力回避するため、鐘淵化学の強力が必要と判断したもの。
 具体的には、2000年4月1日をめどに、PVCの販売を鐘淵化学に移管、その後両者の販売が鐘淵化学に一本化されることになり、同日までにユーザー各社に対し説明を行い、スムーズに販売を移管する計画。
 また生産設備のうち、老朽化が進んでいる水俣工場(年産3万トン)および五井工場(同7万2,000トン)については、適宜休止する方針だが、新鋭設備の水島工場(6万8,000トン)は操業を継続、鐘淵化学から生産委託を受ける。
 チッソは、今回発表した「チッソ再生計画」の中で、事業構造の転換を掲げており、このPVCの販売移管も施策の一つに位置付けられる。生産、販売の抜本的な合理化によりPVC事業の縮小均衡を図り、この結果生じた経営資源を機能材料分野などの戦略強化事業に投入、会社全体としての収益基盤の安定を目指す。