2000年01月25日
チッソ、「チッソ再生計画」に基づく事業戦略・合理化策まとめる
不採算事業整理、合理化を推進へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:チッソ、三菱ガス化学

 チッソは25日、「チッソ再生計画」に基づく、事業構造の再構築と合理化策の概要を発表した。
 事業戦略では、選択と集中により3つの事業区分別に戦略を一層明確にし、戦略強化事業に経営資源を集中し、事業構造の転換を図る。戦略強化事業として液晶および周辺材料、天然系食品保存料、有機珪素化合物、電子部品、その他バイオ製品、環境関連事業を挙げ、機能材料部門の拡大強化を図る。収益安定事業としてポリプロピレン、熱接着性複合繊維、被覆肥料、有機化学品既存事業を挙げ、特殊化、差別化を図る。不採算事業は塩化ビニール、グアニジン系難燃剤、中間膜用特殊可塑剤、肥料原料を挙げ抜本措置を講ずるとしている。とくに塩化ビニル樹脂事業では販売商権を鐘淵化学工業に譲渡、フタル酸系可塑剤事業では三菱ガス化学と合弁会社を設立する。(別記事参考)
 合理化策としては1998年度末2,151名の人員を2003年には1,900名に削減するなど人員、固定費、生産、物流コスト削減で約70億円の合理化効果を見込む。
 経営では役員報酬カットの増大、取締役員を半数程度(10人以下)に削減、執行役員制度の導入など組織、業務の徹底的な見直しを行う。
 再生計画について関係金融機関の合意が得られた後、国、熊本県などにおいて「公的支援」が行われる。
 今回のチッソ再生計画について通産省・西出課長は「チッソ再生計画は、全ての金融機関の承認を得た後に、政府に提出されると承知している。これまでに、興銀を始め関係金融機関のほとんどが再生計画を承認しており、このことは金融機関が再生計画を実効性のあるものと評価していることを示している。政府としても、チッソの再生計画が実効性の高いものであることを期待している。」とコメントしている。


具体的な計画については別ページに資料全文を掲載しましたのでご参照ください。

http://www.c-nt.co.jp/news/chisso.html">チッソ再生計画関連資料(全文)