2000年01月21日
宇部興産、医療機器サービス会社2社を譲渡/1社精算
譲渡と精算で合計13億4,800万円の損失
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:宇部興産

 宇部興産は21日、鴻池運輸との間で子会社のメディカル・システムサービス関西およびメディカル・システムサービス千葉の2社の株式を譲渡することで合意した、と発表した。またメディカル・システムサービス中国については精算する。
 医療機器、用具の滅菌・消毒事業は近年、競争が激化しており、業界再編が進んでいる。こうした状況を踏まえ、自社の他事業とのシナジー効果を検討した結果、事業を継続するよりも衣料業界の周辺事業を積極的に展開している鴻池運輸に事業譲渡することが、今回譲渡する2社にとって将来的な安定経営が図れると判断したもの。2社はともに宇部興産の100%子会社で、メディカル・システムサービス関西は従業員数90名で1999年3月期売上高は2億4,300万円、メディカル・システムサービス千葉は従業員数60名で売上高は2億7,100万円。譲渡予定日は1月31日の予定で、メディカル・システムサービスは600株、メディカル・システムサービス千葉は1,000株を譲渡、譲渡価額はそれぞれ1億4,000万円と1億2,000万円となる。
 一方、メディカル・システムサービス中国は従業員数32名で、売上高は2億500万円。同社は1988年(昭和63年)の会社設立以来、大幅な累損を抱えており、今後も業績の大幅な改善が見込めないことから、3月31日をもって精算する。
 なお今回の譲渡および生産にともなう業績への影響について、売却損失が5億2,800万円、精算損失が8億2,000万円をあわせ13億4,800万円損失が発生するが、1999年度の業績予想に織り込んでいるため、昨年11月5日に発表した業績予想数値に変化はない、と説明している。