2000年01月20日
VECの金川会長、「今年塩ビ業界は良い年」に
首脳が今年の見通しなどについてコメント
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 VEC(塩ビ工業・環境協会)の金川千尋会長、および田代圓副会長、専田彬副会長など首脳は20日、定例の記者会見において今年の見通しなどについて語った。
 金川会長は、「日本も今年は堅調に推移すると見ている。世界的に見ても、米国が超タイトな状態であり、世界の不動玉を吸い上げている。今後アジアにも影響が出るだろう」と語り、また「今年は、今まで苦労してきたことが報われる。塩ビ業界にとって良い年になるだろう」と続けた。
 また世界的な塩ビ再編の動きについて「今までの価格では、再投資ができないということだ。ポリマーの生産能力は、モノマーの供給体制、ひいては電解設備の制限を受ける。日本の需要の成長は横ばいだが、欧州は2~3%、米国は7%成長している。世界的にM&Aや合併が進んでいるが、それ自体が需要に影響を与えるわけではない。ただし、設備廃棄は影響してくる」と語った。
 田代副会長は、「統計の数字にも現れているように、昨年7月以降、若干回復が見えてきている。2000年については、アジアの1~3月がY2Kや中国の旧正月などの問題の影響を受ければ、そのままずるずると行ってしまうと思っていたが、今のところ順調に推移しており、通年で見ても安定推移が期待できるのではないか。需給も春先から定修が相次ぐことを考えると、少なくとも前半はある程度締まった形で推移するだろう」と述べ、さらに内需については「昨年に比べマイナスになる要因はないだろう。住宅の動向がやや不安要因であるものの、昨年下期の傾向を維持するのではないか」と見通しを語った。
 このほか、「モノマーの稼働率は高く、一部クローズした設備もあるため、少なくとも昨年後半から高操業となっている。今年もフル操業で推移するだろう」とし、さらに「原料EDC(二塩化エチレン)の価格は、米国の塩ビ樹脂が好調なこともあり、コンスタントに上がっている。ナフサも再び高くなっており、塩ビモノマー、ポリマーともコスト的なプレッシャーを受けている。このためアジアのVCMも反発傾向にある。輸出は、韓国を含めアセアンが回復していることは確実であり、2000年は1997年に近いレベルまで回復するだろう。ただし、インドネシアの政情が混乱してくると、マイナス影響を受ける可能性もあるが、中国の買いが昨年並みであればアジア市場は非常に良くなるだろう」と明るい見通しを語った。
 専田副会長は、「現在、日本の設備稼働率は実勢で見ると100%であり、輸出も含めると需給は良いバランスで推移している」とコメントした。