2002年02月04日 |
「化学産業の発展に機能性化学品のポテンシャル高い」経産省研究会が報告 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:経済産業省 |
経済産業省は4日「わが国化学産業は、機能性化学品の開発力を強みとして活かすべきだ」とする報告書をまとめ発表した。同省が組織した機能性化学品研究会が昨年11月から関連産業の実態などとともに調査、検討してきた。同省のホームページにも掲載し、広く一般の意見をききたいとしている。 報告書は(1)化学産業のポテンシャリティ(2)化学産業における強みの検証(3)機能性化学品開発の意義(4)ビジネスモデル(5)機能性化学産業の強化と課題(6)政策課題、の6章からなり、内外関連データーの分析をまじえ報告、紹介している。 この中で、わが国化学産業のポテンシャリティについて「付加価値性産額の推移や貿易動向からみて、スペシャリティケミカルが寄与しているところは大きい」とし「研究の質的レベルにおいてもわが国が世界のトップレベルに挑戦していく素地は十分にある」「わが国がもっている強みを発揮していく経営戦略と産業政策が適切であればさらなる発展が可能だ」と述べている。 わが国化学産業の強みは、自動車タイヤ(世界市場シェア3割)写真フィルム(同5割弱)半導体(同7割)など、世界で高い市場占有率を占めている産業の経験やユーザー関係を分析することで検証できるとし「これらの分野ではユーザーニーズをもとに材料の最適組み合わせ、高純度化、成形・加工技術などによって機能を加え、ユーザー産業に最適解(ソリューション)を積極的に提案している」と、“成功モデル”を紹介している。 また機能性化学産業が「マテリアル・ソリューション」提案型産業として成り立たせるための条件として(1)材料創成と成形加工の一体化による「創り込み技術」の確立(2)ユーザー産業に主体的に提案するため素材・材料でなく「部材」レベルでの評価技術体系を構築する(3)製品寿命の短サイクル化に対応し、スピーディな開発・生産体制を構築する、などをあげている。 今後の課題としては(1)迅速な経営判断と新たな企業文化形成(2)ビジネスコンソーシャムの形成(3)グローバル戦略の構築(4)戦略的知的財産の保護(5)研究・人材育成と産学連携の強化(6)環境ビジネス戦略(7)事業リスク分散と「選択と集中」の両立、を指摘している。 一方、政策課題には(1)ナノテクなど技術基盤の強化(2)ビジネス・コンソーシアム設立支援(3)研究開発投資環境の整備(4)知的財産制度の強化(5)産学連携・人材育成への制度整備(6)化学物質管理に関する環境整備(7)規制緩和による事業環境整備、の各項をあげ積極的に取り組むべきだと報告している。 |