2000年01月17日
出光石油化学、1~3月期のプロピレン長契輸出を中断
価格軟化で採算取れず、スポットは状況判断で
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:出光興産

 出光石油化学は、1~3月期のプロピレン輸出価格の軟化が進んだことから、これまでの長契輸出を中断、必要な場合のスポット輸出に止める方針だ。
 同社は昨年12月までは台湾・韓国を中心として、クオーターあたり長契ベースで約5千~1万トンのプロピレン輸出を行ってきたが、1~3月期のプロピレン輸出価格がCIF台湾・トン370ドルと9~12月期と比べ90ドル下落、採算が取れないとして今期の長契輸出を中断したもの。
 スポット輸出については、センター誘導品の需要動向、稼動調整などで必要な場合には行うとしているものの、現在の価格水準では採算的に厳しいとしている。
 同社は千葉、徳山でナフサクラッカーによるプロピレン製造を行うほか、出光興産・北海道、愛知製油所からのFCC回収プロピレンの販売も行っている。製油所のプロピレンは千葉工場へ運ぶほか、愛知ではアクリル酸エステル原料としても使用しており、輸出減少分は全体でのバランスをみながら、生産を落とすことになるとしている。
 一方、エチレンについては徳山工場での誘導品の新増設などにより、昨年は一部スポットを除いて輸出を中断している。今年についても余力はないとしており、誘導品の状況、市況動向を見ながら対応していくことになるとしている。