2000年01月17日 |
カーギル・ダウがポリ乳酸樹脂で日本企業4社と提携 |
2001年後半に米に14万トンの本プラント建設 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:カネボウ、クラレ、三菱樹脂、ユニチカ |
米カーギルとダウ・ケミカルの折半出資会社である「カーギル・ダウ・ポリマーズ(CDP)」のジェームス・ストッパート社長は17日、パトリック・グルーバー副社長、アンディー・シェイファーコマーシャルディレクターら同社幹部とともに東京で記者会見し、同社が開発したポリ乳酸系ポリマー(PLA)の本格企業化に当たって日本企業4社と提携することになったと発表した。提携企業はカネボウ合繊、三菱樹脂、ユニチカ、クラレの4社。当日の会見にはこれら4社の幹部も同席した。 CDPが企業化するポリ乳酸系ポリマーは、同社が独自の研究で開発に成功した天然植物性糖類の処理技術「ネイチャーワークス」を活用して生産されるもの。天然の糖に含まれる炭素とこれに含まれる他の元素を原料とする新タイプの樹脂。当面同社では、トウモロコシから得た糖を原料に使用していく計画。将来は、小麦やビートなど多彩な植物資源を利用していく考えという。 用途は、衣類、食品その他の容器包装、オフィスや家庭の調度品など多彩。同ポリマーによる包装用製品としては、優れた剛性、ねじれ保持性、シール製、バリヤー性などを持つ透明度の高い最終製品が得られるとのこと。また、これを繊維や不織布製品にすると、天然繊維と合繊の長所を合わせて発揮するという。具体的には、優れた手触りと感触、さらにはドレープ性、着心地性UV耐性、弾性などに優れた製品が得られるとしている。また、コストも既存のポリマーと十分肩を並べられると説明している。 CDPでは、現在、ミネソタで年産4,000トン能力の試験設備で同樹脂を生産して日本企業4社に供給している。近く8,000トン能力に拡大する。そして2001年後半にはネブラスカに同14万トンの量産設備を建設する計画だ。 今回提携した4社は、それぞれCDPから原料の供給を受けて各社が得意とする分野の製品に加工して市場に出していく。カネボウは「ラクトン」の商品名で2002年から本格企業化する。年1万トン、60億円の売上を目指す。主に繊維と発泡材料を狙っていく。三菱樹脂は「エコロージュ」の商品名で2002年に50億円の市場を確保する。二軸延伸フィルム、シーラント用キャストフィルム、インフレーションフィルムが狙いの市場。ユニチカは「テラマック」の商品名で農業・園芸・土木・水産・生活・衛生・雑貨・食品の各分野に独自の市場を切り開く。2002年に1万5,000トンの需要を確保する考え。クラレは2005年から年1万トン規模で本格参入を計画している。複合繊維分野に独自の基盤を作っていきたいとしている。 http://www.c-nt.co.jp/news/20000117.html">ネイチャーワークスTMポリ乳酸を使用した各社商品例 |