2002年02月01日 |
「ガス拡散電極」開発プロジェクト最終段階へ、東亞合成名古屋工場で実用化テスト |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:東亞合成、経済産業省 |
ソーダ業界が1993年から取り組んできた「ガス拡散電極電解技術」開発プロジェクトは、基礎研究から実験設備によるテスト、さらに実験規模を大型化しての品質や耐久性評価といったように段階的に進めてきたが、最終目標年度の2002年度には、東亞合成名古屋工場に実用規模の電解槽を設置し、実証試験に入る。産官学共同の大型プロジェクトは最後の仕上げを迎える。 「ガス拡散電極」というのは、食塩電解のさい陰極にガス拡散電極を使い、酸素からアルカリを得る技術のことで、本格的に工業ベースで利用できるようになれば世界ではじめての技術となる。消費電力は約40%削減できるとみられて、経済産業省でも高い「省エネ効果」に期待し、補助金をつけるなどの支援を行っている。 研究はすでに最終項目である(1)ガス拡散電極の耐久性と量産技術の確立 (2)実用化規模電解槽による実証運転試験の段階に入っている。 具体的には、電解槽の電圧は期待通り2.2~2.1ボルトの性能が得られるか、3~5年の耐久性が保証できるか、などの点の確認が焦点になる。ただ、電解槽の構造には水平通電方式と垂直通電方式の2種類があり、このうち水平方式はこれまでの実証試験によって性能が確認されたが、電極構造としてはより実際的な垂直通電方式で確認する必要がある。 東亞合成名古屋工場には今月下旬、水平式に続いて垂直式の第2電解槽が完成する。使用するイオン交換膜の大きさはは縦1.2m、横2.4mと、実機と同サイズ。垂直方式は2001年10月、この半分のサイズの中規模電解槽を完成してすでに各種の評価試験に入っている。実機サイズに拡大することで最終の“詰め”を行いたいとしている。「電極と構造体がクリアできれば問題はない。予定通りいきそうだ」と開発チームでは自身をみせている。 |