2000年01月07日
1Qの酢酸アジア向け輸出価格、500ドルを巡る交渉に
原料高、需給タイト化で採算是正へ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:昭和電工

 酢酸の1Qアジア向け輸出価格は、セラニーズがトン75ドルの値上げを正式に打ち出しているが、日本サプライヤーでは需給バランスに注視して値上げ打ち出しを図る方針だ。
 原料高などにより採算悪化が依然として続く一方、大型定修が集中することもあって一段と需給タイト化が予想されており、500ドルを目指しての価格引き上げ交渉が行われる公算が強まっている。
 酢酸の輸出価格はアジア経済混乱などにより主要輸出先であるPTA需要・価格の低迷などから軟化が続き、1997年4QのCFR・トン560ドルから1998年4Qには380ドルまで下落していた。しかし昨年後半からは需要が回復してきたこともあり、昨年3QはCFR・トン410ドルと、2Q比30ドルの値上げがようやく実現している。4Qも引き続き30ドルの値上げが打ち出されていたが、最終的には20ドル上げの430ドルで決着した。
 今年1Qには昭和電工が大分のアルデ法設備年産15万トン、中国のBPアモコとシノペックとの合弁の揚子石油化工公司が20万トン設備の定修を実施、PTA需要も好調であることから一段と需給タイト化が進むと見られており、酢酸メーカー各社では安定供給面からも採算是正を強めて来るものとされている。