2000年01月06日
PVC輸出価格、日本メーカー2月分20~30ドル上げ打ち出しへ
原料高止まり、円高で採算悪化進む
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 PVC(塩化ビニル樹脂)のアジア向け輸出価格は12月以降、需要一服感が広がっていることから軟化が進んでいるが、大手日本メーカーでは2月分をトン20~30ドルの値上げを行う意向で、まもなく交渉を開始する方針だ。
 現在は、新年を迎えて目立った取引が行われていないが、1月契約分については日本品がCFR・トン730ドル、韓国・台湾品はこれより10~20ドル下の水準で決着している。
 日本PVCメーカー各社では、ナフサ、EDC(二塩化エチレン)などをはじめとした原料が高止まりを続ける中、PVCの12月分が800ドルであったこと、為替が円高に進んでいることもあり、採算悪化が進んでいるとして価格修正に取り組んでいくことにしているもの。
 しかし、2000年問題の反動、旧正月を控えての荷動きの鈍化も懸念されていることから、中国を中心とした値下げ圧力が一段と強まってくることも予想されており、今後の動向に注目が集まっている。
 また、米国からのアジア域内へは、米国の国内需要が好調なことから玉流入が全く無い状況となっているが、現在の輸出価格はラテンアメリカ向けがFOB・トン800ドルを超えており、国内価格も1月から2セント値上げが打ち出されるなど、しばらくはアジアマーケットへの供給余力はないものと見られている。