2000年01月05日
汎用5樹脂の中国向け輸出、11月は前月を大幅に下回る
前年比もLDPEなど3品目がマイナス成長に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 大蔵省が集計した99年11月の輸出通関統計によると、汎用5樹脂の中国向け輸出(香港向けを含む、以下同)の11月における通関数量はいずれも前月を大幅に下回った。前年同月の実績に対してもLDPE、HDPE、PVCの3樹脂がマイナス成長となっている。拡大一途できた対中国輸出にこれまでにない大きな変化が生じたとあって汎用樹脂各社とも成り行きを警戒している。
 同省の集計によると、1月の5樹脂の中国向け輸出数量は、LDPE1万2,368トン、HDPEが6,772トン、PP(ホモポリマーとコポリマーの合計)が1万5,686トン、PSが1万4,381トン、PVCが4万5,884トンとなっている。
 これらを前月の通関数量に比較すると、LDPEは68.2%、HDPEは53%、PPは77.3%、PSは73.6%、PVCは97.2%ということになる。PVCを除くと激減と言って過言でない。これがそのまま5樹脂それぞれの総輸出量の減少となって表れている。
 一方、前年同月に対比すると、LDPEは71.3%、HDPEは96.8%、PPは103.4%、PSは128.4%、PVCは85.2%となる。これまで長期にわたって続いてきた拡大傾向に急ブレーキがかかった感じだ。
 こうした現象の背景は必ずしも明らかでないが、大手商社の中には、中国国内に十分な在庫が蓄積されたこととと、樹脂のアジア相場に先安感が出てきたことを要因に挙げる向きが多い。