1999年12月28日
東ソー、VCM市況堅持へ1月以降も採算輸出を継続
適正なアジア市場秩序を維持、グループ供給体制も強化
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:大洋塩ビ、東ソー、三井化学

 東ソーは、VCM(塩化ビニルモノマー)の適正なアジア市場秩序を構築するため、1月契約分についても採算性に徹した輸出を継続する方針だ。同社は南陽事業所に年産81万トン、四日市事業所に24万トンと合計105万トン能力を持つ国内最大手のVCMメーカーだが、需要に応じた供給体制の構築を進めてきている。
 VCMのアジア向け輸出価格は中国を中心として需要が好調に推移していることもあり、11月にはCFR・トン600~620ドルに上昇していた。しかし、12月にはPVC(塩ビ樹脂)需要に一服感が広がったことから560~580ドルに軟化している。同社では、EDC(二塩化エチレン)など原料価格が高止まりしていることもあり、1月契約分については現在の水準を堅持する方針で、採算に徹した供給に努めていくとしているもの。
 同社のVCM供給は国内では大洋塩ビ、海外ではインドネシア・スタットマー、フィリピン・PRIIなどグループ向けがその8割以上を占めている。また今月からは大洋塩ビ向けが三井化学・大阪工場のVCM休止により、年間10万トンベースで供給量が増加しており、一段とグループ内の供給体制が強化されている。輸出については中国向けを中心に需要に応じた契約ベースで行っており、市場秩序を維持した供給を行っていくことになるとしている。