1999年12月27日 |
PPS、需要回復で2000年も2桁成長の見通し |
E&Eも回復/コンパウンドは1万8,000トン台へ |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:クレハ、大日本インキ化学工業、東ソー、東レ、ポリプラスチックス |
ポリフェニレンサルファイド(PPS)は、昨年不況の影響を受け、国内コンパウンド市場は成長率が2桁を割り込んだが、今年は下期の回復もあって何とか10%近辺の伸びが見込まれている。さらに2000年についても、Y2K(2000年問題)の影響がどのように出るかが懸念されるものの、業界では引き続き2桁台の成長を予想しており、1万8,000トン台に乗る見通しだ。 大手PPSメーカーによると、コンパウンドベースの国内市場規模は1998年で約1万5,000トン、今年は1万6,000トン台半ばと見られている。1998年は、主力の電気・電子(E&E)および自動車向けとも不況の影響を受け、数%の伸びにとどまった。しかし今年に入り、E&Eを中心に需要が回復、約10%の成長が見込まれている。 国内シェアは、30%強を占める大日本インキ化学工業(DIC)がトップで、以下ポリプラスチックス、東レが20%台、さらに東ソー、トープレンと、呉羽化学と提携しているポリプラを含め上位5社は全てニートレジンメーカーが続き、このほかにコンパウンド専業メーカーが数社存在する。 PPSは当初自動車分野の市場開拓が先行したが、その後E&E向けが拡大、現在はE&Eが約50%、自動車が35%前後、その他が15%弱となっている。なお1996年ごろから1998年にかけて、給湯器周りのいわゆる住設分野が金属代替需要として有望視され各社が力を入れてきたが、不況となった1997年後半以降は思ったほど代替も進まず、需要の伸びが鈍化している。 2000年の需要については、「少なくとも第1四半期はY2Kの影響を見極める必要があるが、今年10~11月に予想された前倒し需要もそれほど大きなものではなかったため、年明けの影響も少ない」(大手メーカー)と見られている。このため2年連続の2桁成長が期待され、1万8,000トン台に拡大する可能性が高い。 |