1999年12月22日 |
独ティコナ、GUR/Topas事業をアジアで展開 |
独ティコナ、GUR/COC事業をアジアで展開来年初にもティコナジャパン設立へ |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:ポリプラスチックス |
独セラニーズのエンジニアリングプラスチック事業部門を担当するティコナは、超高分子量ポリエチレン(商品名GUR)およびCOC(シクロオレフィンコポリマー、商品名Topas)をアジア地域で展開するため、2000年1月1日にも日本法人ティコナジャパンを設立する。 新会社は本社を東京に置き、代表者にはクラリアントジャパン・顔料事業部の八木拓氏が就任する予定。アジアにおけるティコナのGUR事業は、ポリプラスチックスとは別に行われる。ティコナによれば、ティコナジャパンの設立は、新規用途の開発と日本およびアジア太平洋地域のユーザーを支援することで、未開拓の同地域を北米および欧米並みの市場として開発していく事を目的としている。ティコナは、超高分子量ポリエチレンのトップメーカーで、現在7万4,000トンの市場規模と見られている中で、ドイツ・オーベルハウゼンに年産3万トン、米国テキサス州ベイポートに同1万4,000トンの生産能力を有している。 同社は、ろ過膜や浄水など多孔膜を中心に、内張り向けや建設資材、バッテリーセパレータなどの分野に対し、アジア太平洋市場の需要の約40%に当たる2,000トン程度のGURを販売していく方針。同社は、世界市場の12%に相当するアジア市場において、北米・欧米の成長率5~6%に対し、12%程度の成長を見込んでいる。 一方、Topasは、ティコナが急成長を期待している非結晶性の樹脂で原料にエチレンとノルボルネンを用いる。ここ数年の開発により、医薬用フィルムや食品包装材、シュリンクフィルム、極薄フィルム、医療、光学用途などの分野において、技術、製品、市場の開発に成功している。同社は、メタロセン触媒技術を用いた初の商業設備の建設をオーベルハウゼンで進めており、2000年半ばには年産3万トン設備が稼働する予定。 現在も市場開拓を進めているが、欧米のユーザーがすでに強い関心を示しており、物性の評価も完了している。日本およびアジア太平洋地域についても同様で、域内の供給体制や市場開発、テクニカルサービスなどの整備が最終段階を迎えており、2000年第1四半期には完了する見通し。 またTopasの新規用途としては、トナーバインダー用樹脂があり、すでに日本では数年前に評価および市場開発を完了している。また次世代カラーコピー機への採用も期待されている。このため来春には日本において提携先とトナーバインダー用樹脂供給開始を発表する予定。 |