1999年12月21日
独ティコナ、韓国・暁星からKEPの50%株式を買収
アジア太平洋地域におけるプレゼンス拡大
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:ポリプラスチックス、三菱ガス化学、三菱商事

 独ティコナと韓国の暁星は現地時間の20日、韓国のPOM(ポリアセタール)合弁会社韓国エンジニアリングプラスチックス(KEP)について、暁星が保有する50%の株式をティコナが買収することで合意した、と発表した。 KEPは、1987年に暁星50%、三菱ガス化学40%、三菱商事10%出資により設立、韓国初のPOMメーカーとして、現在蔚山に年産5万5,000トンの生産能力(コポリマー)を有し、「ケピタール」のブランドで販売している。グレード数は、ベースレジンで30、コンパウンドグレードで100グレードをラインアップする。従業員は製造、研究、販売を含め146名。
  セラニーズのボードメンバーで、ティコナの会長兼CEOであるEd Munoz氏は、「高い技術と品質、また競争力のある韓国トップのPOMメーカー投資することにより、世界市場のリーダーであるティコナにとって、アジア太平洋地域における地位を強化することができる」と語り、今回の買収がアジア地域で積極攻勢をかけるための戦略の一環であることを明らかにした。
 ティコナグループのアジア太平洋地域における事業展開は、ポリプラスチックスが行っており、POMについては日本(年産10万トン)、台湾(台湾エンジニアリングプラスチックス担当、同2万トン)の2拠点に加え、来年にはマレーシア・クアンタンで建設を進めていた年産3万トン設備が稼働する。今回の買収したKEPは、あくまでも資本参加でありポリプラスチックスとは引き続き競争相手となる。ただし、アジア地域におけるティコナグループの地位が向上することは間違いない。また、資本関係が変わることにより、今後POMで業界再編が起こる可能性も出てきた。