1999年12月20日
台湾FPC、LDPEの新プラントの試運転開始
エチレン不足でHDPE設備は稼動調整へ
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 わが国のポリエチレン業界ならびに大手商社筋が調べたところによると、台湾のFPCは先週から林園の石油化学コンビナート内でHP-LDPE(高圧法低密度ポリエチレン)の新設備の試運転を開始した。
 同設備は、年産45万トン能力のエチレンプラントを中核とする同コンビナートの主力誘導品設備の一つ。生産能力は年産20万トンである。これに伴い台湾のHP-LDPEの総設備能力は同44万トンとなった。
 ただし、同社が同90万トン能力の大型新エチレンプラントを完成する今年6月までは原料エチレンが足りないので、HP-LDPE設備が本運転に入れば、かわりに当分の間、既存の年産27万トン能力のHDPE(高密度ポリエチレン)設備の稼動を調整することになりそう。同社が保有するHDPE設備は二つの系列で構成されているので、そのうちの一つを一時的に停止する公算が強い。これは、中国や東南アジア諸国への輸出価格がHP-LDPEの方がトン当たり100ドル前後高い点を考慮してのものと見られる。その場合、わが国へのHDPEの輸出は特恵の打ち切りも加わって大幅に減ることになる。