1999年12月15日 |
チバSC、MGPEにポリマー事業を売却~来年1Qめど |
売却額1,200億円~負債返済と事業投資に充当 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ |
スイスのチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(チバSC)とモルガン・グレンフェル・プライベート・エクイティ(MGPE)は現地時間の14日、MGPEがチバSCのポリマー事業を買収する契約書を交わした、と発表した。合意した売却価格は18億4,500万スイスフラン(約1,200億円)で、早ければ2000年第1四半期中にも手続きを完了する。 売却の手続きは、譲渡契約や合弁会社持株の名義変更、また欧米の監督省庁の承認を経て、問題がなければ2000年第1四半期中にも完了する予定。チバSCは、売却で得た資金を負債の返済と今後の事業展開に向けた投資に充てる計画。 チバSCのポリマー事業部門は、主力のエポキシ樹脂(商品名アラルダイト)では世界トップ3に位置し、このほか接着剤、フォトポリマー、治工具などを手がけている。今年上半期の売上高は8億4,600万スイスフラン(約550億円)、営業利益は6,200万スイスフラン(40億円強)だが、昨年8月に同事業部門をポートフォリオから外す方針を打ち出しており、今回その売却先が決定したもの。 MGPEは、ドイチェ・アセット・マネジメントのプライベート・エクイティ部門で、18億米ドルの資金を持つヨーロッパ有数のプライベート・エクイティ・カンパニー。設立以来47の案件に総額90億ドル相当の投資を行っている。MGPEは、ドイツ・プライベート・エクイティ・チームの責任者でクラリアント社の元最高経営責任者であるカール・ゲルハルド・ザイファート氏を、新しいポリマー事業会社の代表権のない会長に任命する予定。新会社は、本社をスイス・バーゼル市に置き、従業員数は世界全体で約3,100名となる。 なおチバSCは、日本において旭チバ、長瀬チバなどのエポキシ樹脂合弁会社を有しているが、今回の事業売却にともない体制の変更を進めていくことになる。 |