1999年12月14日 |
クラレ、「エバール」が自動車ガソリンタンクに初採用 |
日本国内生産で初、ホンダのハイブリッド車に |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:クラレ、ホンダ |
クラレはこのほど、EVOH樹脂「エバール」が、日本国内の生産で初めて本田技研工業製ハイブリッドカー「インサイト」(11月発売)のガソリンタンク(タンクの開発・製造は八千代工業)に採用された、と発表した。 同社は「エバール」の新規開拓用途として、これまで欧米の自動車会社を中心に自動車の燃料タンクのバリア層として販売展開をしてきたが、日本製自動車のガソリンタンクに初採用されたもの。 自動車のガソリンタンクは従来金属製が主流であったが、欧州では1972年からプラスチック化(HDPE単層主流)が始まり、現在では約90%がプラスチック製ガソリンタンク(PFT)を使用している。 米国でも金属製からの切り替えが進んでおり、約70%がプラスチック製とされている。とくに米国では、EPA(環境保護局)により日本・欧州より厳しい燃料排出規制が1995年に発効したため、現在製造のPFTはほとんどが「エバール」を使用したHDPEとの多層ハイバリアPFTとなっている。 欧州でも単層から多層への切り替えが進みつつあるが、2000年1月から燃料排出規制が米国並になることから、需要増加が見込まれている。 一方、日本では現在約7%程度がPFTだが、防錆、軽量化、形状の自由度、衝突安全性、コストダウンなどのメリット、排出規制の強化などで、今後の需要増加が期待されている。 同社はEVOH樹脂の世界トップメーカーで、岡山に年産1万トン、米国のテキサス・パサデナに2万1,000トン、ベルギー・アントワープに1万トンと、世界3極で合計4万1,000トンの生産能力を有している。 |