1999年12月14日 |
三井化学と住友ベークライト、木質系接着剤事業を統合 |
来年4月に新会社設立~販売シェア23%のトップメーカーへ |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:住友ベークライト、三井化学 |
三井化学と住友ベークライトは14日、2000年4月に両社の木質系接着剤事業を統合、新たに合弁会社を設立することで合意した、と発表した。同事業は、輸入合板の増加などによる需要の低迷から厳しい環境にあり、両社の製造・販売・研究開発を統合することで、コスト競争力の強化を目指す方針。 新会社の社名は未定だが、資本金は7億円で三井化学が60%、住友ベークライトが40%出資する。本社は東京で、社長は三井化学が、副社長は住友ベークライトが指名し、2000年4月3日に設立・営業を開始する予定。現在、同事業に関わる両社の従業員数は合計約80名だが、新会社は約50名体制を目指す。また工場は、藤枝市(静岡県、住友ベークライト所有)、高石市(大阪府)、下関市(山口県、以上三井化学所有)の3拠点、また営業所は東京と大阪に置き、研究所は藤枝市に集約する。また2000年度の売上高は50億円の見通し。 現在、三井化学のグループ設備能力は年産22万トンだが、このうち北海道工場の3万トン設備は合弁会社に移管しない。また名古屋のユーラミン工業の4万トン設備を停止、さらに東北ユーロイドに原料持ちこみで5万トン程度の生産を委託する。一方、住友ベークライトは秋田、静岡、姫路の3拠点で8万トンの設備能力を有しているが、関連会社である秋田と姫路の設備を停止、残る約5万6,000トンを新会社に引き継ぐ。これらの結果、新会社の設備能力は12万2,000トンとなる予定。 業界トップの三井化学(新会社向け販売シェア14%)と2~3位の住友ベークライト(同9%)の事業統合により、新会社の販売シェアは23%と、圧倒的な地位を確立する。また今後はフェノール樹脂系接着剤で、メラミン樹脂やユリア樹脂と同等の条件(プレス時間など)で使うことのできる技術の開発を一つの目標に掲げている。 なお両社のコメントは以下の通り。 三井化学・小沢宏常務--今春から両社で話し合い開始してきたが、現在の事業環境や、合理化方針などで共通の認識を持つことができた。単に規模が大きくなるだけでは意味がなく、両社の技術が合わさることで、大きな力を発揮できると考えている。ユーザーも厳しい環境にあり、こうしたユーザーを支えていくことのできる会社にしていきたい。 住友ベークライト多田和男常務--木質系接着剤事業は、当社にとっても古い事業であるが、厳しい環境のなか三井化学と合弁会社を設立することが最も効果的な策であると判断した。新会社が、合板業界の発展に貢献できるよう、技術を磨いていきたい。 |