2002年01月31日
中外製薬、胃麻痺治療薬で米国臨床試験再開
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:中外製薬

中外製薬は31日、米国で休止していた胃麻痺治療薬GM -611 (開発記号)の臨床試験について、1 月25 日(米国時間)、FDA (米国食品医薬品局)から再開許可の連絡を受けたと発表した。

 GM -611 の米国における臨床開発は、中外製薬の100 %子会社中外バイオファーマシューティカルズ社(本社:米国カリフォルニア州サンディエゴ/社長:ヘンリー L ノードホフ氏、以下CBI )が担当し、第2 相の段階にあった。2001 年4 月、CBI はラットの2 年間投与発がん性試験の予備成績において最高投与量群でリンパ腫の発生頻度が上昇することが示唆されたことをFDA に報告した。

 これに対しFDA は、ラットやマウスの発がん性試験の最終結果が報告されるまで臨床試験を休止するよう指示した。
 中外製薬とCBI は2001 年11 月に最終結果、12 月に追加情報をFDA に提出、FDA はこれらを検討した結果、臨床試験の再開を認めた。
GM -611 は消化管運動促進効果をもつモチリンアゴニストで、胃麻痺などの消化管運動不全の治療薬として開発されている。日本では、第2 相臨床試験準備段階にあり、今後、第2 相試験の開始について検討していく予定だ。